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クリスチャンネーム 「私とEX (元夫) 105 」   



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教会に通い出してから数ヶ月経ったある日、
EXのお母さんから電話がありました。




「ukainouのクリスチャンネームなんだけど、
 彼女の名前をちょっと変えて、○○○っていうのはどう?
 我ながら最高のネーミングだと思うんだけどどうかしら?」




と興奮した声で言いました。
(EXのお母さんは英語が話せないので、EXが通訳しています)




コテコテの日本人なのに西洋の名前で呼ばれるのは気恥ずかしいし、
何だか一世代昔の日系人みたいで抵抗はありましたが、
一生懸命お義母さんが考えてくれた名前だし、
洗礼という任務を無事遂行する為には彼らの慣習に従わないといけないので、




「私の名前に近いし、とっても良い名前ですね! その名前で決めて下さい」




とお義母さんに伝えました。




お義母さんはとても喜んでくれて、
それからは私の事を本名ではなく、クリスチャンネームで呼ぶようになりました。




それからしばらくして、
出来上がったばかりの私たちの結婚式の招待状がお義母さんから届きました。




招待状を手に取って見てみると、
新婦の名前が私の本名ではなく、クリスチャンネームになっていました。




招待状のどこを探しても私の本名はありません。




私の親族や友人にもその招待状を送るつもりだったので、
心に多少引っかかるものがありましたが、
彼らの国では招待状にはクリスチャンネームで書くのが仕来りなのかもしれないと思ったのと、
私たちの式の為にいろいろと奮闘してくれているお義母さんの事を考えると、
そんな些細な事に拘るのは良くないと思い、
その事に関しては気に止めないようにしました。




そしてその週末、
勉強会で神父さんに会った時に、
彼が式に参加できないのはわかっていたけど一応招待状を手渡しました。




神父さんはお礼を言いながらゆっくりと封筒を開け、
中に入っていた招待状を手に取って見るや否や、




「おや? 何故あなたの名前じゃなくて、○○○って書いてあるのですか?」




と怪訝な顔つきで言いました。




「え? 招待状にはクリスチャンネームで書かないといけないっていう仕来りはないんですか?」




「あなたにはご両親からいただいた○○○(私の本名)っていう名前がちゃんとあるじゃないですか。
 洗礼の為に考えたクリスチャンネームではなく、
 あなた自身と今まで一生懸命あなたを育ててきたご両親の為にも、
 あなたのお父さんとお母さんが心を込めて付けた名前で式は向かえるべきです。
 あなたにはその権利があります」




神父さんがそう言い切った瞬間、
何故か目頭が熱くなってきて、涙が出そうになりました。




「郷に入らば郷に従え」だと無理矢理自分を納得させ、
自分でも自分の感情に気づいていませんでしたが、
本当は私は自分の名前で結婚式を挙げたかったんだと気づきました。




神父さんは私が言葉に詰まったのを見て、




「今からでも遅くないから、新しく招待状を作り直して貰ったらどうかな?」




と言いました。 




EXも、




「ukainouが望むのならすぐに作り直して貰うよ」




と言ってくれましたが、
神父さんが蓋をしていた私の気持ちを代弁してくれたおかげで、
それまで知らず知らずのうちに私の中で燻っていた気持ちがすーーーっと体の中から抜けていき、
妙にすっきりした気持ちになっていました。





「神父さんのお言葉で自分でもびっくりするほどわだかまりが消えてなくなりました。
 自分でも気づかないうちに結構ストレスを感じていたんですね。
 でももう大丈夫です。
 神父さんが私の気持ちを代弁してくれたおかげで、
 何のわだかまりもなくこの名前で式を挙げれそうです。
 本当にありがとうござました!」




と、晴れ晴れした気持ちでお礼を言いました。




特に何かをする訳でなくても、
ただ自分の気持ちをわかってくれている人がいるというだけで、
心が癒され、気持ちを強く持つ事ができるようになって、
それまでよりずっと異文化を受け入れやすくなりました。




始めは渋々通い出した教会でしたが、
彼のような神父さんと出会う事ができて、
私はラッキーだったなぁとつくづく思ったのでした。





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# by ukainounyc | 2010-02-22 05:37

目次   


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私とEX(元夫)
 

「私とEX(元夫)」 (Part.1~Part.96) 01/07/09 ~ 02/21/10





日本滞在真っ最中!


1.久々の更新ですっ。 ついでにブログ引越しました! 07/10/09

2.右? 左? どっちや?? 07/12/09

3.日本独特の「営業用の声色」 07/13/09

4.挨拶しますか?それとも無視しますか? 07/15/09

5.USJ に対する疑問 07/16/09





アンケート


あなたの離婚の原因は何ですか? 01/11/09

何かきっかけでパートナーの浮気に気づきましたか? 01/26/09





観光客逸話集


「カツアゲされたA君」 (前編&後編) 11/13/08  
 
「前向きなランパブ嬢A美ちゃん」 11/18/08                  

「二つの顔を持つ女B美ちゃん」 11/20/08                   
    
「完璧な妻Cさん」 11/22/08 
                           
「サクセスダンサーD美ちゃん」 11/26/08 
                            
「熱々の引き篭もりカップル」 12/29/08                       





私と犬たち


私と犬たち 「ジョン」編 09/17/08                       

私と犬たち 「クッキー」編 (前編&後編) 09/18/08            

私と犬たち 「初代チキータ」編 09/24/08                   

私と犬たち 「チキータ」編 (前編&後編) 09/27/08             

私と犬たち 「ルーシー」編 (1話~23話) 10/03/08            





人生のターニングポイント 


「人生のターニングポイント」 (Part.1~Part.37) 06/04/08 ~ 09/13/08





ボランティアとは?


「ボランティアとは?」 (Part.1~Part.6)


Part.1 「日本人医師と老夫婦」 05/13/08

Part.2 「またもやICU」 05/16/08

Part.3 「善意と疑惑」 05/21/08

Part.4 「心の隙間風」 05/23/08

Part.5 「感謝の気持」 05/27/08

Part.6 「最終話」 05/29/08

「追記」 アメリカの医療制度について 06/01/08






ICU体験記



「ICU体験記」 (Part.1~Part.13)


Part.1 「これって腹上死?」 03/23/08

Part.2 「近所のスケベドクター」 03/26/08

Part.3 「喉が乾いたー!」 02/29/08

Part.4 「死にたくない!」 04/05/08

Part.5 「もし死んだら」 04/09/08

Part.6 「とうとう手術!」 04/13/08

Part.7 「手術終了そして喉の渇きとの闘い」 04/15/08

Part.8 「お見舞い」 04/16/08

Part.9 「良い看護婦、悪い看護婦」 04/22/08

Part.10 「初めての食事!」 04/24/08

Part.11 「一般病棟と日本人ドクター」 04/29/08

Part.12 「退院」 05/06/08

Part.13 「最終話 再会」 05/09/08





ニューヨーク話


「ニューヨークの母」マリッサとの再会 02/10/08   
                 
Tip に関するあれこれ 02/15/08   
                           
ニューヨークでサバイバルする為に必要な事 02/23/08               

トラブル発生!弁護士参上! 03/17/08  
                       
ヤンキーズスタジアムにて 06/23/08                           





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# by ukainounyc | 2010-02-19 10:00 | 目次

私にとっての「神」とは 「私とEX (元夫) 104 」   


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神の存在を信じてないのに自分でも矛盾していると思いながらも、
窮地に追い込まれた時や、
強い願望がある時にはつい無意識に目には見えない何かに向かって心の中で祈ってしまいます。




その何かとは「神」なのか、
それともそうではない別なものなのか。




その答えが出ないまま教会で勉強を続けてるうち、
ある考えが私の中で生まれてきました。




もしかしてその「何か」とは神ではなく、
自分の中にある内なる心、





「自分自身」





に対してではないのか?





「火事場の馬鹿力」という言葉があるように、
人間というのは究極の集中力が出た時に想像以上の力を発揮するものなので、
祈る事によって集中力を高め、
自分自身の力を最大限に発揮させているのではないのか?




特に教会でのあの厳かで神秘的な雰囲気の中で祈るという行為は、
人間の集中力を最大限に引き出す効果があるのではないか?




そしてその集中力によって自分の潜在能力を高め、
自分自身で願いを叶えているのではないか?




それに「病は気から」と言うように、心と体は直結しているもの。




神に祈る行為=自分の内なる心に向かって祈る行為によって心が軽くなれば、
自ずと体にも良い影響が出るのかもしれない。




祈りによって神様が願いを叶えているのではなく、
祈りによって自分の潜在能力を高めて、
自分自身で願いを叶えているのではないかとう考えにいたりました。。





聖書に出てくる言葉で、




「God is always watching us」
(神はいつも私たちを見ている)




「God is always there with you」
(神はいつもあなたの側にいる)




という言葉をよく耳にするけど、結局これらも、




誰も見てなくても、自分は見ている。

他人を騙せても自分は騙せない。





という意味だと捉えれば筋が通る。





「Those who believe in God will be saved」
(信じる者は救われる)




という有名な言葉もあるけど、
これも信じる者とは自分を信じる者という意味ではないか?




自分を信じている者は自ずと道は開けるけど、
自分を信じていない人間を救うのはとても難しいから。





「God's Forgiveness」
(神の赦し)




に関しても同じで、
神によって赦されるのではなく、
自分で自分を赦す事なのではないか?




以前は「懺悔」というシステムに対して、




「謝ってすむなら警察いらん!」




とばかりに毛嫌いをしていたところがあったけど、
「懺悔」といのは、自分が犯した罪を認め、そして謝罪し、
自分で自分を赦す行為なんだと思うと納得ができました。




自分を赦せていない人間が自分を愛せるはずがないし、
自分を愛していない人間が他人を赦し、愛せるはずがないから。




自分が犯した罪から逃げ回ったり、
反対に自分を追い詰めたりしてもそこからは何も生まれないし、
永遠に罪の意識によって苦しめられるでしょう。




罪を認め、謝罪し、がんじがらめにされていた心の鎖を解き放つ事によって、
人は初めて本当の意味で人生をやり直せるのかもしれない。





神に赦される事によって自分自身を赦し、
神を信じる事によって自分を信じる力を得て、
神を愛する事によって自分を愛す事ができるのなら、
宗教とは素晴らしい役目を果たしていると思いました。




もしこの世に宗教が無かったら、
国をまとめるのは至難の業だっただろうし、
治安を維持するのも、
心の平和を維持するのも難しかったでしょう。




そう考えると宗教というのは、
人間が人として生きていく上で必然から生まれた、
とても深いものだと思いました。




宗教を私なりに勉強した結果、
宗教は人が人として生きて行く為の素晴らしい道しるべになる教えだとは思いましたが、
無神論者の私にとって「神」とは、




「自分の内なる心」




だという結論に至りました。





でも正直な所、死んで「無」になるのはやはり怖いので、
心のどこかで「あの世」が存在する事を願っているところもあります。




天命を全うした後、




「うわっ! ほんまに神様っていたやん! 天国って良い所やなー」




ってな感じで、先に逝ってた友達たちと笑いあえたらいいな。





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# by ukainounyc | 2010-01-25 05:27

宗教に対する疑問 「私とEX (元夫) 103 」   


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実は私はアメリカの大学であまりにも嫌々勉強しすぎたせいで、
英語の本を見ただけで拒否反応が出るという「英語本恐怖症」(勝手に作った名称)にかかっていました。




そんな状態だったので、
とてもじゃないけどただでさえ時間がない中、
神父さんから貰った聖書は読めそうにもなかったので、
藁をも掴む気持ちで日本語の聖書を手に入れました。




その日本語の聖書をパラパラっとめくって読んでみても、
私には感銘する事も、興味をそそる事も無く、





あーーー、宗教なんて面倒くさ~~~~!





と思ってしまい、
結局、神父さんから宿題として出されていたページを読破できずに、
初めての勉強会に向かいました。




勉強会とは不特定多数の人たちと一緒に勉強する会だと勝手に思っていたら、
実際は神父さんと私たちだけで勉強するんだと知り、





まずい! ちゃんと宿題をやってないのがばれる!!




と一人焦っていると、
神父さんはそんな私の心情を察したのか、
開口一番、




「きちんと聖書は読んできましたか?」




と笑顔で質問されました。




「えっと… 実は英語だとなかなか読めなかったので、
 先日、日本語の聖書を手に入れて、少しずつ読み始めてるところです…」




「そうですか。 それは良かった。
 一緒に勉強していけば良いんですから、焦らなくていいですからね。
 聖書を読んで見て何か疑問に思った事や、
 私に聞いてみたい事はありますか?」




「そうですね…
 実は以前から疑問に思っていて、
 今回聖書を少し読んでみてもその疑問が解けなかった事があるんですが…」




「何ですか? 遠慮せずに疑問に思った事は何でも聞いて下さいね」




「まずはノアの箱舟についてなんですが、
 ノアの箱舟ってキリスト教徒しか乗れないんですよね?

 神は自分を信じる人間は悪事を働いた人間でも、
 懺悔さえすれば許して助けるけど、
 自分を信じない人間はたとえ善良な人間であっても
 助けないって事なんですか?
 
 私の両親は悪い事もせず、今まで真面目に生きてきましたが、
 無宗教という事だけで神は見捨てるんですか?
 
 それってとても高慢な考えだと思いませんか?」




「私は神というのはこの世を作った創造主であって、
 現在あるキリスト教やイスラム教、仏教などの宗派は、
 人間が神をどう解釈するかによって違っていったもので、
 元々は同じ創造主から来たものであると思っています。
 
 だからキリスト教でなくてはいけないのではなくて、
 宗派に関係なく、神を信じ、
 そして感謝の気持ちを持っていれば救われると思っています。

 だからあなたのご両親のように宗派に属していなくても、
 信じる心と感謝の気持ちを持っていれば、必ず救われると信じています」




キリスト教こそが唯一の正しい宗教だと信じているんじゃないかと思っていた私は、意外な神父さんの答えに驚きました。




「それではもう一つ質問があるんですが、
 宗教が本当に人の為になるのものなら、
 どうして宗教の名の元に戦争が起きるんですか?
 神がそんな事を望んでいるんですか?」




「神はそんな事を望んでいません。
 一部の利己的な人間たちが、
 宗教を自分たちの都合の良いように解釈して、
 それを利用して戦争を起こしてきたんです。
 私利私欲の為に宗教を利用する人間がいるのが悲しい現実です。
 でも神は決して争いを望んではいません」




「それでは神父さんはアダムとイブは信じていますか?
 実は一度彼とこの事について揉めた事があったもんで…」




「聖書の中には当時の人たちに分かりやすく説明された部分も多くあります。
 それは聖書が人間が書いたものだからです。
 アダムとイブの話もその一つだと思います。
 当時の人たちに分かりやすく説明されたものだと私は思っています。
 ただ種の起源がアダムとイブでなかったにしろ、
 神がこの世に生を誕生させたんだと信じています」
 



「神父さんからそんな言葉が聞けるとは思ってもいませんでした。
 実は彼とアダムとイブについて揉めた時、
 結局私の言ってる事を信じた彼が、
 その日の夜、彼の夢の中にジーザスが出てきて、
 悲しげに血の涙を流したって言ってた事があるんですが、
 これには何か意味があるんですか?
 ジーザスは彼を許してくれますよね?」




「もちろん、そんな事でジーザスが彼の事を見捨てたりしません。
 おそらくその夢は彼の罪悪感から出てきたものでしょう」




そして神父さんは彼に向かって、




「God bless you」




と言って微笑みかけました。




EXも心のつっかえが取れたからか、
心底嬉しそうな顔をしていました。




それ以外にも私がずっと引っかかっていた宗教に対するいろんな疑問を神父さんに尋ねてみましたが、
すべて納得がいく回答が得られて、





この神父さんはすごい!!!





と彼の事を宗教を極めた人として尊敬し始めました。
(私は対象が何であっても極めている人が好き)




ただ神父さんが素晴らしい人であればあるほど、
実は私は無宗教者ではなく、





無神論者





だと言う事は口が避けても告白する勇気はありませんでした…





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私にとっての神とは? 「私とEX (元夫) 104 」  へ行く
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# by ukainounyc | 2010-01-18 13:23

教会への初訪問 「私とEX (元夫) 102 」   


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それから私とEXは洗礼が受けられる教会を求めて、
マンハッタンのアッパーウエストにあるオーソドックスの教会を訪ねました。




それまで私は教会というのは国の優遇税制を利用してほとんど税金を払わず、
多額な献金で私腹を肥やしてる所という勝手なイメージを抱いていましたが、
教会の中に一歩入ってみてそのイメージの違いに一瞬戸惑いました。
(私がそれまで行った事があった有名どころの教会はそんな雰囲気だった)




まだ寒い季節だったのに、
窓ガラスが割れたままになっていて、鳥が教会の中を飛び回っているし、
全体的に古びていて、あちこち修繕が必要なのは明らかな状態でした。




何だかとっても質素な教会だなぁ…
お金ないのかな?





と思っていると、しばらくして神父さんがやって来ました。




その神父さんも倹約という言葉が似合いそうな質素な感じだったけど、
彼の威厳のある態度と風貌から独特な高尚さを感じて、
私の中で緊張感が走りました。




普段教会に行かないEXもその神父さんと会うのはその日が初めてだったので、
お互いの自己紹介をした後、彼の書斎に向かいました。




彼の書斎でEXが私たちの事情を説明すると、
神父さんは少し考えた後、ゆっくりと口を開きました。




「事情はわかりましたが、
 教会を使いたいからと言って簡単に洗礼が受けられる訳ではありません。
 本当に洗礼を受けたいのなら、
 まず最初に聖書について学ばないといけません。
 その上で洗礼を受けるかどうか決めて下さい」




「それはわかりますが、僕たちは4ヵ月後に式をあげる予定なんですが、
 それまでに間に合うでしょうか?」




「4ヵ月後ですか?」




「はい、そうです。 
 その数週間前にNYを発つ予定なので、実質3ヶ月ちょっとしかありません」




「ふむ…… 
 本来、少なくとも半年は通って貰わないといけないんだが、
 そういう事情なら仕方ないですね。
 その代わり、毎週末休まずに必ず勉強会に来て下さい。
 時間がないぶん、自宅で聖書を勉強してきて、
 勉強会では疑問に思った事や、
 わからなかった事などの質問を受けるかたちにしましょう」




そう言って神父さんは私に聖書を手渡しました。




チラッと中をめくってみてみると、
細かい文字でぎっしりと書かれていて、
これを全部、それも英語で読まなくちゃいけないのかと思うと眩暈がしそうになりました。




神父さんは私が一瞬怯んだのを察して、




「頑張れるかね?」




と言って私に微笑みかけました。




正直、大学の勉強も全部カバーしきれていないというのに、
この聖書を読破するのは無理だと思いましたが、
ここまで来た以上、そんな事は口が避けても言えないので、




「最善を尽くします」




と顔が引きつりながら言いました。




すると神父さんはEXのほうに向かって、




「勉強するのは彼女だけじゃないよ。
 君も一緒に勉強するんだ。
 おそらく君は今まできちんと聖書を勉強した事がなかっただろう?
 この機会に彼女とともにしっかり勉強するんだよ」




と言って、私に向かっていたずらっ子のようにウィンクしました。





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# by ukainounyc | 2009-12-06 07:31