ニューヨークでサバイバルする為に必要な事
2008年 02月 23日
ニューヨークで生活していく為に必要なスキルのうちの一つに「自己主張」があります。
私はニューヨーク以外の州に住んだことがないので、
他の州の事はわかりませんが、
世界各国から多様な人種が集まっていろんな文化がごっちゃまぜになってるニューヨークでは、
特に自己主張をすることが必要になってきます。
例えば学校では常に自分の意見を言うことが必要とされていて、
授業中に発言をしなければ直接成績に関わってくるし、
黙っているっていうことは自分の意見がない又は授業を聞いてない=頭が悪い、真剣に授業に取り組んでないとみなされてしまいます。
その為、こっちの教育では幼稚園の頃から「Show & Tell 」と言って、
子供達が自宅から何かお気に入りの物を学校に持参して、
皆の前でその物について話すというスピーチの学習があります。
そうやって小さな頃からスピーチの練習をさせられてるので、
大概のアメリカ人は皆の前で発言することにあまり抵抗がありません。
私がアメリカの大学にいた頃、
最初のうちは何かにつけて発言しまくるアメリカ人をみて、
皆が皆、頭が良さそうに見えて劣等感に苛まれましたが、
英語がわかってくるにつれ、
「え?それってさっき先生が説明したでしょ?」
「え?それってさっき他の生徒が質問してたでしょ?」
「え?それって教科書にデカデカと書いてあるよ」
というふうに、彼らの発言していることの大半は意味の無いものが多いって気づきました。
とにかく発言してなんぼっていう感じです。
彼らの自己主張で面食らった習慣で、
成績表に関しても、不服がある場合は先生に直談判に行きます。
先生達も慣れたもんで、その生徒の主張が正しければ成績を変更します。
私が大学に入る時、ほんとはTOEFLで点数を取って入学しようと思っていたんですが、
7点足りなかったので申請するのは諦めて、
大学付属の語学学校を最終レベルまで終えて入ったんですが、
後から他の生徒から聞いた所によると、
7点くらいだったらアピール(直談判)すれば入れたのにーって言われました。
実際2,30点足りなかった人たちも入っていました。
こっちの小学校では担任の先生が嫌とか、
○○ちゃんと同じクラスになりたいって理由だけでも、
校長先生に頼めばクラスも変えてもらえます。
小学校や中学校の受験で落ちたとしても、
アピールすれば入れる事が多いです。
アメリカに住んでいると理不尽だと思われることに多々遭遇しますが、
とりあえず何でも自己主張してみたら、
自分の主張が通る事が多いです。
日本ではルールはルールで守るべきものとして、
例外はなかなか認めませんが、
アメリカではルールは一応の判断の基準でしかないので、
押せば物事は変わることが多いです。
何も主張しなければ結局は損をすることが多いです。
黙ってルールを守ってる人間からしてみれば不公平だと感じますが。
でもまぁどっちが良い悪いはなしとして、
主張をすることによって物事が変わると、
また次回困難なことがあった時にすぐに諦めずに頑張ろうという気にはなります。
「ルールはルールです」ってことで例外が認められない習慣だと、
何もする前に諦めてしまいがちなので。
ニューヨーク生活の中で最も自己主張が大事って身に沁みた経験談で、
私が突然くも膜下出血になった時の話なんですが、
自分のホームドクターからまわされた脳の専門医の所から、
そのままそこのスタッフと一緒に手術ができる大病院のEmergencyに行って、
私は支払い方法などの手続きなど済ませて、
そのEmergencyの待合室でその他の患者さんたちと待っていました。
私と一緒に来たスタッフがEmergencyの受付の人と話をしてくれていたので、
話はちゃんと伝わってるはずなので、
自分の順番が回ってくるのをずっと大人しく待ってたんですが、
(他の患者達はその頃インフルエンザが流行っていたせいか、あっちこっちで吐いてるわ、皆今にも死にそうなくらいのリアクションだった)
何時間たってもぜんぜん呼ばれなくて、
さすがにおかしいと思い始めた頃、
明らかに私よりずっと後に来たさっきから吐きまくってた患者が呼ばれて、
それはないでしょって思った私は受付に行って、
「今呼ばれた人は明らかに私より後に来た人です!私はもう何時間も待ってるんですけど!!」って怒ったら、
その受付の人は下を向いたまま、
「症状が悪い人を優先に診てるのよ」って言って私の顔を見た瞬間に、
「You are the next one」って言いました。
とりあえずホッとしてトイレに行って(いつ呼ばれるかわからなかったのでトイレにも行けなかった)手を洗った時にふと鏡を見たら、
な、な、なんと私の片方の目の黒目が上のほうに行っちゃってるじゃないですかー!
その前からずっと視界はダブルビジョンではあったんですが、
Emergencyに来る前は両目ともちゃんと正面を向いてたので、
待合室で待ってる間に病状が悪化しちゃってたってわけです。
だからさっきの受付の人が私の顔を見た瞬間に「You are the next one」って言ったんだーって妙に納得しました。
その後、診てくれたドクターから、
「あなたもう少しで2回目の破裂寸前だったよ。2回目の破裂があると1回目よりさらに生存率低くなっちゃうのよ。危なかったねー」
って言われて、
もしあの時自己主張せずにただずっと大人しく自分の順番が来るのを待ってたら、
あのまま待合室の片隅で冷たくなってたかもーーーって思ったら、
アメリカっていう国はちゃんと自己主張しないと死んでしまうこともあるのかぁって感慨無量でした。
ちなみに手術後無事に黒目も元に戻り、後遺症もなく退院できました。
病院でも良い事悪いこと、いろいろ貴重な体験をしたので次回書きたいと思います。
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by ukainounyc | 2008-02-23 09:25