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トラブル発生!弁護士参上!   



お待たせしました!(って誰も待ってないって?)

ブログを始めたばかりだというのに、

前回の書き込みから随分時間がたってしまいました。

というのもプライベートでちょっとした問題が起きまして、

それが弁護士を通してまでの争いに発展してブログの更新どころじゃなくなっていました。



弁護士を通した以上、

私としては必要な書類を提出した時点でやることはなかったんですが、

なにせ気持ちが落ち着かなくて心労の多い日々でした。



まだはっきりと決着がついたわけではありませんが、

とりあえず良い方向に向かいそうでちょっと一安心です。



それにしてもアメリカという国は何かと弁護士が必要で大変です。

というのも前回の書き込みで、

アメリカではいかに自己主張が大切かを書きましたが、

個人でできる自己主張には限界があるので、

揉め事になった場合は自己主張のプロフェッショナルである弁護士を使わないと勝てないことが多いんです。



つい4日前、マンハッタンの86st と3rd Ave のコーナーで人身事故に遭遇したんですが、

事故を起こした本人は車に轢かれて気を失って道路にうつぶせになって倒れてる人に近寄ることもなく、

ただ携帯でずっと電話していました。

アメリカではこういう場合は絶対被害者に対してあやまらないと言われてますが、

本当にその通りです。

今回のような大きな事故ではなくて軽い接触事故でも謝りません。



決定的にどちらかが一方的に悪いという事故じゃない場合、

日本人特有の謙虚さから先に謝ってしまうと、

謝った事実が残り後々不利になってしまいます。

今回の事故の加害者のように被害者の体を心配する前に、

まずは自己保身の為に弁護士に連絡を取るのが普通になってしまっています。



アメリカに長く住んでいると少なくとも何度かは弁護士のお世話になります。

長く住んでいる日本人が必ずお世話になるのが移民弁護士です。

弁護士の手腕によってすんなりビザor グリーンカードが取れたり取れなかったりするので、

弁護士選びは重要です。



そんなこんなでやたらと弁護士が必要になることが多いんですが、

何せ費用が高いので(1時間300ドルっていうところが多いです)、

身内に弁護士がいれば…っていつも思ってしまいますが、

夫が弁護士だった場合、

夫婦仲がうまくいってる時は良いんですが、

離婚となった場合、

これ以上ないという最強の敵となってしまうので要注意です…



ちなみにlandlorが一番貸したくない借主の職種は1位が弁護士、2位が建築士だそうです。

弁護士相手に何かトラぶっても一般の人間じゃ勝てないですからねぇ…



そういえば韓国人経営のドライクリーニング店が、

コロンビア特別区の裁判官であるお客から預かっていたズボンを紛失した件で、

5400万ドルの賠償請求された事件がありましたが、

ズボンが無くなったからっていくらなんでも5400万ドルはないでしょーー!!?

被告側の弁護士は提出書面の中で、

「動機は明らかで、単純に被告店主らをしつこく困らせて、彼らの生活を根本からぶち壊そうとしている」と述べた。

実際この韓国人家族はストレスで病気になったらしいです。



法律家の方々は見方になってくれてる時は頼もしいけど、

敵に回したらほんと怖いです…


詳しくは↓

ズボン紛失で5400万ドル損害賠償事件に判決

Reutersのビデオクリップ




最後まで読んでいただいてありがとうございます。

前回の書き込みで入院生活の続きを書くと書いてたのに、

長くなってしまったので結局書けなくてすいませんでした。

また近いうちに書きたいと思います。




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# by ukainounyc | 2008-03-17 10:19

ニューヨークでサバイバルする為に必要な事   



ニューヨークで生活していく為に必要なスキルのうちの一つに「自己主張」があります。

私はニューヨーク以外の州に住んだことがないので、

他の州の事はわかりませんが、

世界各国から多様な人種が集まっていろんな文化がごっちゃまぜになってるニューヨークでは、

特に自己主張をすることが必要になってきます。



例えば学校では常に自分の意見を言うことが必要とされていて、

授業中に発言をしなければ直接成績に関わってくるし、

黙っているっていうことは自分の意見がない又は授業を聞いてない=頭が悪い、真剣に授業に取り組んでないとみなされてしまいます。



その為、こっちの教育では幼稚園の頃から「Show & Tell 」と言って、

子供達が自宅から何かお気に入りの物を学校に持参して、

皆の前でその物について話すというスピーチの学習があります。

そうやって小さな頃からスピーチの練習をさせられてるので、

大概のアメリカ人は皆の前で発言することにあまり抵抗がありません。



私がアメリカの大学にいた頃、

最初のうちは何かにつけて発言しまくるアメリカ人をみて、

皆が皆、頭が良さそうに見えて劣等感に苛まれましたが、

英語がわかってくるにつれ、



「え?それってさっき先生が説明したでしょ?」

「え?それってさっき他の生徒が質問してたでしょ?」

「え?それって教科書にデカデカと書いてあるよ」



というふうに、彼らの発言していることの大半は意味の無いものが多いって気づきました。

とにかく発言してなんぼっていう感じです。



彼らの自己主張で面食らった習慣で、

成績表に関しても、不服がある場合は先生に直談判に行きます。

先生達も慣れたもんで、その生徒の主張が正しければ成績を変更します。



私が大学に入る時、ほんとはTOEFLで点数を取って入学しようと思っていたんですが、

7点足りなかったので申請するのは諦めて、

大学付属の語学学校を最終レベルまで終えて入ったんですが、

後から他の生徒から聞いた所によると、

7点くらいだったらアピール(直談判)すれば入れたのにーって言われました。

実際2,30点足りなかった人たちも入っていました。



こっちの小学校では担任の先生が嫌とか、

○○ちゃんと同じクラスになりたいって理由だけでも、

校長先生に頼めばクラスも変えてもらえます。



小学校や中学校の受験で落ちたとしても、

アピールすれば入れる事が多いです。



アメリカに住んでいると理不尽だと思われることに多々遭遇しますが、

とりあえず何でも自己主張してみたら、

自分の主張が通る事が多いです。



日本ではルールはルールで守るべきものとして、

例外はなかなか認めませんが、

アメリカではルールは一応の判断の基準でしかないので、

押せば物事は変わることが多いです。

何も主張しなければ結局は損をすることが多いです。

黙ってルールを守ってる人間からしてみれば不公平だと感じますが。



でもまぁどっちが良い悪いはなしとして、

主張をすることによって物事が変わると、

また次回困難なことがあった時にすぐに諦めずに頑張ろうという気にはなります。

「ルールはルールです」ってことで例外が認められない習慣だと、

何もする前に諦めてしまいがちなので。



ニューヨーク生活の中で最も自己主張が大事って身に沁みた経験談で、

私が突然くも膜下出血になった時の話なんですが、

自分のホームドクターからまわされた脳の専門医の所から、

そのままそこのスタッフと一緒に手術ができる大病院のEmergencyに行って、

私は支払い方法などの手続きなど済ませて、

そのEmergencyの待合室でその他の患者さんたちと待っていました。

私と一緒に来たスタッフがEmergencyの受付の人と話をしてくれていたので、

話はちゃんと伝わってるはずなので、

自分の順番が回ってくるのをずっと大人しく待ってたんですが、

(他の患者達はその頃インフルエンザが流行っていたせいか、あっちこっちで吐いてるわ、皆今にも死にそうなくらいのリアクションだった)

何時間たってもぜんぜん呼ばれなくて、

さすがにおかしいと思い始めた頃、

明らかに私よりずっと後に来たさっきから吐きまくってた患者が呼ばれて、

それはないでしょって思った私は受付に行って、

「今呼ばれた人は明らかに私より後に来た人です!私はもう何時間も待ってるんですけど!!」って怒ったら、

その受付の人は下を向いたまま、

「症状が悪い人を優先に診てるのよ」って言って私の顔を見た瞬間に、

「You are the next one」って言いました。

とりあえずホッとしてトイレに行って(いつ呼ばれるかわからなかったのでトイレにも行けなかった)手を洗った時にふと鏡を見たら、

な、な、なんと私の片方の目の黒目が上のほうに行っちゃってるじゃないですかー!

その前からずっと視界はダブルビジョンではあったんですが、

Emergencyに来る前は両目ともちゃんと正面を向いてたので、

待合室で待ってる間に病状が悪化しちゃってたってわけです。

だからさっきの受付の人が私の顔を見た瞬間に「You are the next one」って言ったんだーって妙に納得しました。



その後、診てくれたドクターから、

「あなたもう少しで2回目の破裂寸前だったよ。2回目の破裂があると1回目よりさらに生存率低くなっちゃうのよ。危なかったねー」

って言われて、

もしあの時自己主張せずにただずっと大人しく自分の順番が来るのを待ってたら、

あのまま待合室の片隅で冷たくなってたかもーーーって思ったら、

アメリカっていう国はちゃんと自己主張しないと死んでしまうこともあるのかぁって感慨無量でした。



ちなみに手術後無事に黒目も元に戻り、後遺症もなく退院できました。

病院でも良い事悪いこと、いろいろ貴重な体験をしたので次回書きたいと思います。



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# by ukainounyc | 2008-02-23 09:25

Tip に関するあれこれ   



日本にない習慣で、アメリカに来て戸惑う習慣のうちの一つはTip に関してだろう。

私自身、今思い出すと恥ずかしくて罪悪感を感じる出来事があります。



20年前、初めてニューヨークに観光として来た時、

資金ギリギリの旅行だったので、

食事はスーパーやデリで何か買ってくるか、

食べに行くとしてもいつもファーストフードばかりでした。

特に良く行ったのが当時流行っていたピザハット。

日本でピザを食べる機会があまりなかった私はこのピザハットのピザが大のお気に入りでした。



ニューヨークで一ヶ月間の滞在を終えた後、

西海岸に移動し、

そこでもピザハットに行こうということになり、

中に入ると何故か席案内の係りの人が、、、、

カリフォルニアってニューヨークと違うなぁって思いながら席についたら,

ウェイトレスらしき人が来て注文を聞かれました。

一緒に来ていた友人のミキと、

「カリフォルニアってサービス良いね」って言いながらピザを食べていたけど、

何だか胸騒ぎがしてきて、

「もしかしてここってTip とか払わないといけないの?」

「でもピザハットってファーストフードだからいらないよね?」

と勝手な論理で不安を打ち消してしまって、

結局そのままTip を置かないで出て行ってしまいました。



レストランを去る時、

気になって振り返ってみたら、

サーブをしてくれたウェイトレスの人が黙々と片付けてる姿が見え、



やっぱり絶対Tip いるんだったよね、

あー何だかがっかりしてるように見えるわ、

それなのに文句も言わないなんて、悪い事しちゃったな、



って頭の中でグルグル後悔してました。



今でもふとその風景を思い出すことがあって、

そのたびに穴があったら入りたい気分になっちゃいます。



その後、住む為にニューヨークに戻ってきて、

私自身がウェイトレスとして働くようになりました。



自分自身が働いてみて、

Tip の大切さが身にしみました。

ウェイトレスというのは給料はほとんどなく(当時1時間約1ドル)、

そのわずかな給料もそこからTax を引かれて、

受けとるチェックの金額は毎回ほとんど0。

というのもTax はレストランの売り上げからTip として受け取るであろう金額を自動的に計算されて、

給料から引かれるシステムになっているからです。



そんなわけで例のピザハットのウェイトレスの人は、

受け取ってもいないTip の分の税金も払わされたということになります。

ほんとに申し訳ないです、、、



自分もそうでしたが、

日本人の人たちはTip の習慣に慣れていないので、

私がウェイトレスとして働いてる間にもいろいろ嫌な経験もしました。



自分の事は棚に上げて言いますが、

当時バブルということもあってか、

大盤振る舞いで飲み食いしている日本人の駐在の人たちが、

いざ、ティップになると、

ええええーー??って思うようなケチ臭いTip しか置いていかない人たちも多く、

それもそんな嘘みたいなTip しか置いてないのに、

「これTip だからね♪」って恩着せがましく言う人たちもいました。



そういう人たちは影でウェイトレスの間で「ケチおやじ」とか結構ボロクソなあだ名で呼ばれていて、

次に来店してきた時も、

「あ、あのケチおやじが来たよー」とか言われ、

そうなるとどうしてもサービスの質も落ちてしまうので、

その追加オーダーしたビール一杯分をTip に回せば、

その後の対応も変わってくるのになぁっていつも思ってました。



それでもまだTip を置いてるだけましで、

日本人観光客となれば、

昔の私同様(10代だったから許してー)、

まったくTip を置かずに帰ってしまうこともあり、

そういう時は追いかけてTip 徴収することもありました。



そんなウェイトレスの裏事情を知ってしまうと、

自分がレストランで食事する時はどうしても通常以上のTip を置く癖がついてしまいました。



ちなみに今住んでるアパートでも、

クリスマスにはドアマンやハンディーマン、清掃者などなど、アパートに関する人たち全員にTip をあげなくてはいけません。

これは毎年かなりの出費になるので結構きついです。



ニューヨークでは人の手がかかるとTip がかかり、

まだはっきりとTip が必要とわかる場合はいいんですが、

微妙な時は困ってしまいます。



どこまでが親切からの行為なのか、

どこからがTip 目的の行為なのか。



その昔、初めて42nd street のPort Authority から郊外に行こうとしていた時、

いろんな線があり迷っていると、

「May I help you ?」と黒人男性に声をかけられました。

行き先を彼に伝えると、

チケット売り場に連れて行ってくれて、

必要なチケットの買い方を教えてくれ、

バスの乗り場まで教えてくれました。



何て親切な人なんだろうって嬉しく思いながら、

お礼の言葉を言って去ろうとしたら呼び止められ、

「Tip please」と言われました。

ちなみにその人はあきらかにPort Authority の人間ではなかったので、

親切で教えてくれてるとばかり思っていたのでちょっとがっかり、、、



そんな経験を何回かしていると、

まったくの赤の他人が普通以上の親切をしてくれる時は,

下心があるか、又は

お金を払う必要があるって思うようになりました。



そんなある日、

当時付き合っていた彼と車でマンハッタンに行こうとして、

ラッシュアワーのクイーンズボロブリッジのど真ん中で突然車がエンストしてしまい、

まったく動かなくなってしまいました。

携帯電話もない時代だったので、

橋の真ん中でもちろん公衆電話もないので緊急の電話も入れられないし、

かといって車をここに置いていくわけにも行かなくて、

二進も三進もいかない状態で渋滞の中立ち往生してしまいました。



後ろのほうからクラクション鳴らされまくっていたけど、

サイドに寄るスペースもなく、

どうしようかなぁって思っていると、

突然後ろから来たイエローキャブのおっちゃんが、

「後ろから押して行ってあげるよ」って言ってくれました。

私たちにとって天使の声です。

彼の車で後ろからグイグイ押されながらハンドルだけ切って何とか橋を降りることができました。

橋を降りた所で車から出ようとしたら、

「近くに修理屋があるからそこまで押して行ってあげるよ」ってにこやかに言ってくれ、

その言葉に甘えて修理屋まで連れて行ってもらうことにしました。



車の中で彼と、

「一体いくらくらい渡したらいいかな? 相手はタクシーだからその料金分も上乗せしたほうがいいよね」って話して、

財布からお金を出して渡す準備をしていました。



そしてようやく修理屋が見えてきて、

最後のプッシュで無事中に入る事ができ、

お礼とお金を渡そうと車から降りようとしたら、



プップーってクラクションを2回ならして、

開けた窓から手を振って爽やかな笑顔と共に彼はそのまま去って行ってしまいました。



その瞬間、そのおっちゃんの顔がまるでほんとの天使の顔のように見え、

名前も名乗らず去っていく彼の車を見送りながら、

気持ちがあったかくなってくるのが感じました。





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# by ukainounyc | 2008-02-15 14:59

「ニューヨークの母」マリッサとの再会   



ニューヨークは世界中から多くの人たちが夢と富を求めてやってくる街だけど、

現実は貧富の差は日本とは比べ物にならないくらい大きく、

日本人である私からは考えられないような金持ちがマンハッタンにはごろごろいるかと思えば、

その数以上の多くの人たちが貧困に苦しんでいる。

昨日まで普通に生活していた人たちが明日には職を失い、

住む家を失い、コンクリートジャングルの中をたださまようだけの生活になることも他人事ではない話だ。



まだ私が10代だった頃、

世界の中心であるニューヨークに一度来て見たいと思い、

学校の休みを利用して親友のミキと共に初めてニューヨークにやってきました。

旅程はNY一ヶ月、その後ロス、サンフランシスコ、ハワイと回って帰国する予定。

当時のニューヨークはまだ治安が悪く、

インターネットもない為、情報が限られいて不安でいっぱいでした。

それなのにホテルの予約もしていない行きあがりばったりの貧乏旅行。

JFKの空港に着いた時は不安と緊張で足がすくむ思いでした。



とりあえずマンハッタンに向かうことにしましたが、

貧乏旅行の為タクシーに乗れないので、

最寄の地下鉄まで行くパブリックのバスで行くことにしました。

バス乗り場と言っても当時の空港はごちゃごちゃしていてわかりにくく、

いろんな人たちに通じない英語でバス乗り場を訪ねてようやく乗る事ができたのは良かったけど、

今度はバスの運転手のおじさんに「運賃はコインのみ」って言われて、

空港から出たばかりの私達がコインを持ってるはずもなく、

途方に暮れていたらバスに乗っていた他の乗客の人たちがお金を崩してくれました。



乗客の人たちのご好意でバスに乗れたは良いけど、

今度は一体どこで降りたら良いのか見当がつきません…

わけのわからない所まで行ってしまったら大変なので、

バスの運転手のおじさんに思いっきり日本語英語で、

「地下鉄に行きたい。教えて。教えて」とただひたすら繰り返したらわかってもらえたようで、

運転席のすぐ近くの席に座っているようにと言われ、

他の乗客の人たちに大迷惑なスーツケースと共に乗り口付近の席に座っていました。

(今思えばシルバーシートだったのに…)



走り出して結構時間が過ぎても運転手は何も言って来ないので、

忘れてるんじゃないかと不安になり、

お仕事中の彼に何度か「まだ?まだ?」と聞きまくり、

「大丈夫だからそこに座ってな」と言われ、

また大人しく座ってしばらくすると、

ようやく地下鉄の乗り場に近いバスストップに着いたようで、

運転手のおじさんが早口に地下鉄の場所を説明してくれてるようですが、

何せ英語がまだぜんぜんわからなかったので、

ミキと共に途方に暮れていると、

おじさんは突然バスのエンジンを止めて立ち上がり、

私たちのスーツケースを持って一緒にバスから降りてくれて、

地下鉄の入り口まで連れて行ってくれました。

さすがに私達もびっくり!感謝感謝です!

運転手さんや他の乗客の方達には迷惑をかけてしまいましたが、

不安と緊張でいっぱいだった私達に優しくしてもらえて、

単純な私達は怖いイメージだったニューヨークが好きになり始めていました。



爽やかに手を振って去って行く運転手さんに感謝の態度を示した後(感謝の言葉がでないので)、

重いスーツケースを持って階段を下りようとするとアメリカ人の男の人がやってきて、

「持ってあげるよ」って言ってくれてるようでしたが、

「犯罪大国NY24時間」というドキュメント番組を日本でさんざん観て来た私達は、

そのままスーツケース持って逃げられるーって思い込み、

せっかく声をかけてくれた人に「NO,NO」と言ってしまいました…

誰もあんな重たいスーツケース持って逃げたりしないのに、

今思い出しても悪い事しなぁって思います。



ようやく地下鉄に乗れ、タイムズスクウェア付近の駅で下車し、

地下鉄の外を出て、

「うわーー、ここがあのブロードウェイかーー!!」とミキと感動を分かち合っていたんですが、

のちにそこはブロードウェイじゃなくて8thAveだったということが判明しました…



その後スーツケースをゴロゴロ押して、

日本で出会ったバックパッカーの人に聞いていたタイムズスクウェアからすぐ近い安ホテルを見つけ無事チェックインできました。

そのホテルは厳密にいうとホテルではなくアパートメントホテルで、

一週間、又は一ヶ月単位で借りてる人たちばかりでした。

料金は今では考えられない値段で二人で一週間200ドルくらいだったと思います。

ただシャワーは共同。

それにお世辞にも綺麗とは言えませんでした。



そこの住人達は路上で物を売ってる人たちや、

当時、無料で国際電話がかけられる電話番号を違法で売ってるような人たちがたくさん住んでました(何故か宿泊者は男ばかり)。

そんなわけでおちおち気の抜けないホテルだったんですが、

そんなサバイバルなホテルの中で掃除婦として働いてたマリッサという黒人のおばさんに出会いました。

彼女は怪しい人間がたくさん住んでるホテルに私達のような右も左もわかってない、

どうみてもピヨピヨしてる私達が心配になったのか、

私達にとても親切にしてくれ、

いつも会うたびに「私はあなた達のニューヨークのママよ!何か困ったことがあったら何でも言いなさいね」と言いながらハグされたり、

クッキーを持っていてくれたりととても親切にしてくれてたので、

私達も彼女がとても好きになりました。



ニューヨークを去る最後の日、

寂しくなっちゃうわねって言う彼女とハグしながら涙ぐんでしまいました。



それから一年たって、

今度は観光ではなく、留学としてNYに住む為に戻ってきた私とミキは、

ある日、マリッサに会いに行こうと二人であのホテルに行ってみましたが、

すでにそのホテルは倒産したのか、看板もなく、ただ閑散とした状態になっていました。



マリッサはどうしてるのかなぁと思いながらも数ヶ月がたった頃、

私とミキがあのホテルがあった付近のファーストフードで食事をして外に出ると、

なんとマリッサがいるではありませんか!



びっくりして喜んだ私達はすぐにマリッサに駆け寄り挨拶をすると、

彼女も覚えてくれていたようで以前と変わらないハグをしてくれました。

ハグの後、彼女と話そうと身を話して彼女を見つめてみると、

何か違和感が、、、、

虚ろな目、あまり綺麗じゃない服装、それに大きな袋とカバンを抱えていて、

「え?これって?え?」と状態がいまいち把握できないまま動揺を悟られないように気をつけながらジェスチャー交じりで話をしていると、

急に「お腹がすいてるの。すごくお腹がすいてるの。しばらく何も食べてないの」と言い出しました。

その瞬間、私には彼女が何を意味してるのわかりませんでした。

というかわかりたくなかったんだと思います。

すると彼女は英語が通じなかったと思ったのか、

「Please give me food」と言いながらジェスチャーで何度も食べるまねを始めました。



金づちでガーンと頭を殴られたような衝撃と共に、

あのマリッサに物乞いをされた現実を受け入れられず、

思考回路が止まったまま、

彼女に「ちょっと待ってて」と言ってお店に戻って食べ物を買い、

彼女に手渡すと彼女は何度もありがとうと言いながら、

体の調子が良くないのか、

重い体を引きずるように去って行きました。



その前かがみに歩く彼女の後姿を見ながら、

この1年の間に一体何が彼女に起き、

どう過ごしてきたのかと思い、

その日の帰りの足取りがとても重たかったことは今でもはっきりと覚えています。






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# by ukainounyc | 2008-02-10 17:05

ニューヨーク話   



「ニューヨークの母」マリッサとの再会                     2008年2月10日


Tip に関するあれこれ                               2008年2月15日


ニューヨークでサバイバルする為に必要な事                2008年2月23日


トラブル発生!弁護士参上!                          2008年3月17日


ヤンキーズスタジアムにて                            2008年6月23日

# by ukainounyc | 2008-02-01 17:09 | ニューヨーク話 全5話